私は小さい頃、取り柄のない子でした。勉強面ではまず考えることが出来ない。運動は学年ビリに近い。芸術面においても歌は下手、リコーダーは変な音が出る、絵は何を書いているか分からないって言われるほど何も出来なかったのです。おまけに人と話すのが苦手な所謂陰キャな子でした。周囲から「何が出来るの?」と苦笑されながら言われたことがあります。
自分全体がコンプレックスだったこともあり、何か強みがほしいと思っていた時、中学生になって「英語」に出会いました。数学のように思考力が問われない。しかも中学一年生だからほとんどの人が「英語」をきちんと学んでいないはず。「私はまだ皆とスタートが同じ。大丈夫、出遅れていない。私も学べば『英語』が得意になるかもしれない」と思いました。実際に単語や文法を覚えると少し難しい文章も読めるようになりましたし、志学の先生から「英語得意だね!」と褒められたことが何より私の中で自信に繋がりました。
しかし、毎日英語が好きだったわけではありません。英語に関して学校でも塾でも1位を取ることが出来なかったのです。上には上がいることを思い知らされ、英語の勉強を投げ出したこともありました。その時は2位どころか4、5位と順位が落ち込んでしまい、先生に相談することにしました。「あんたがサボるからやで。英語はサボったら終わりや。毎日辛くても単語50個覚えて文法練習し、躓く所があれば何回も繰り返し解く。それを怠るからあんたはトップに立てないんや」とキツイ言葉をかけられました。と同時に「大丈夫。英語はあんたを裏切らない。覚えて解いた分だけ自分のもとに帰ってくる。」と言われて再び私の努力は始まりました。
ここから私の物語ではなく、英語を勉強する上でのアドバイスを言います。まず英文法の土台は中学2年生です。中2で大まかな文法を勉強するからです。中2の時点で英語が嫌いになる子は続出します。実際私も関係代名詞、比較で躓き挫折しかけたことがありました。そのような時は中3と学年を進めるのではなく、中2に戻って教科書を何回も見直しましょう。それは高校生でも同じです。英頻の通しに苦労している高校生。恥じることなく、中2の問題集を3回繰り返しましょう。そうすれば文法の基礎は定着して英頻も解ける問題が増えてくるのではないでしょうか?
また教科書、問題集はどれがお勧めですか?と以前後輩に聞かれたことがありますが、何でもいいんです。本屋さんに行って「これが自分に合っているな」と思う問題集を買いましょう。ただし、まずは一冊の本を繰り返し3回は解きましょう。よく一冊解き終わったら違う問題集に手を出してしまう人が多いのではないでしょうか。新しい問題を解きたい気持ちは分かりますが、一冊本当に完璧にマスターしているのでしょうか。ここは気持ちを抑えて素直に2回目、3回目と通しましょう。
今回「英語」の話をメインにしました。「英語」は大事です。入試の配分は高いし、将来海外の人と会話をする時に使う可能性だってあります。ただ、私が本当に伝えたいのは「何か努力していられるものを見つけること」です。私は英語を得意科目としていられるように毎日必死で努力しました。別に英語ではなくてもいいんです。(でも英語は勉強した方がいいよ)スポーツ出来る子ならスポーツに専念すればいい。絵を描くのが好きなら絵を究めればいい。ファッション関係が好きならスタイリストなどの道を目指して頑張ればいいと思っています。親に反対されたっていいんです。何かを究めることが自分の将来に繋がっていきます。
人間取り柄のない人なんていないと思います。ただ努力することをサボっているだけで原動力になるものがあれば絶対夢中になれるものが見つかります。その原動力も些細なことでいいんです。どうか、自分が成し遂げたいことを見つけてがむしゃらに努力して自分の強みにしていって下さい。